窪川勝哉
「まずは見た目から・・・」2007年9月28日
お酒を飲みはじめたばかりの10数年前。大学生だった私は、お酒を飲む=飲み放題プラン!という野郎仲間の基本ルールには従いつつも、気に入った女の子と行くバーでは決まってギムレットを頼むというちょっとおマセな奴でした。
まわりの誰よりも早く携帯を入手し、用事もないのにとりあえず渋谷をふらつく日々・・・。そんな日々のどこで出会ったのかは未だ謎ですが、何故か出会ってしまったレイモンド・チャンドラーの小説の「ギムレットまで待てない」という台詞。
若干ハタチのガキンチョにとってギムレットはちょっと飲んだだけで喉がカーッと熱くなるかなり強力なショートカクテルでしたが、ギムレットと言いたいのと、ギムレットを飲んでいる自分に酔っていたんでしょうね。あー、懐かしいし、ちょっと恥ずかしい。
それから10数年が経ち、今ではお酒のこともそれなりに分かるようになってきた33歳のワタクシ。目の前には、グラスに入ったビール。「ジョッキの形が美しくないから」という理由で生ビールは敬遠しがちだったのですが、何故か出会ってしまったGARGERYにはビールにありがちなブコツさがなく、女の子と一緒の時でもサマになりそうな感じ。職人さんが手作りしているというガラスの台座はひとつひとつの仕上がりが異なるハンドメイドならではの触感。その上に華奢なステム無しのグラスを乗せているのがGARGERYのスタイルなんですが、置くたびにグラス同士が当たる音が心地よく、酔いだしてくるとその音をもっと聞きたいのともっと飲みたいという2つの理由でついついペースが速くなってしまうんですよねー。
インテリアスタイリストという職業柄か、ギムレットみたいに最初は飲みにくいと感じたものでも見た目や名前が美しければ味もそのうち好きになってしまう、という特技(特異体質?)を持っているワタクシですが、見た目から入ったものが美味しいときたらこいつぁ言うことなしですね!